重ね塗りをする方法や木枠を使う方法
のれんを染めるための方法は種類が豊富にあります。
染め方を変えれば、完成品の雰囲気を変えることもできます。
印染めという方法でのれんを染めることもできます。
この方法は日本で昔からおこなわれてきた長い伝統を持つ方法です。
この方法の大きな特徴となっていることは、5回にわたって重ね塗りをすることです。
何回も同じところを繰り返して塗ることにより、色をしっかりとつけることができます。
色を生地に塗る時に使用されているのは刷毛です。
この方法で色を塗るためにはコツも必要になります。
上から重ねて色を塗る時に注意しなければいけないことは、
下に塗られた色が乾かない間に新しい色を塗らなければいけないことです。
のれんは引き染めという方法を使用して塗ることもできます。
この方法の大きな特徴は、木で作られた枠を使用することです。
この枠は弓の形に作られていて、伸子という名前がつけられています。
この木枠を使用すれば、綿で作られた生地を固定することが可能です。
固定した状態で生地を引っ張れば、染料をバランスよく塗ることができます。
この技術は北陸地方で開発されたもので、服を染色する時にも使われています。
この方法を使えば1回できれいに塗れます。
古い時代に京都で開発された技術
のれんを染色する時には、ぼかし染めという技術が使われることもあります。
この技術が開発されたのは京都の西陣です。
17世紀の後半ごろに開発されたと言われていて、それ以来さまざまな服や布などを
染めるために、この技法が使用されています。
現在でも京都の伝統工芸として、高い技術を持っている職人の手でおこなわれています。
ぼかし染めが他の方法と大きく異なっているのは、色を濃く塗りすぎないようにしていることです。
淡い色に染色することを目的にして、この技術が使用されています。
この方法で生地を染める時には、引き板という特別な道具が使われています。
この板は生地を広げるために使用されるものです。
板の上に生地を広げることにより、きれいに塗りやすくなります。
乾く前にもみ洗いをすることも、この技法の特徴です。
もみ洗いをするために使用されているのは、10度前後の冷たい水です。
もみ洗いをしたものは、さらにもう一度色を塗られます。
乾燥する前に色を重ね塗りすることが、きれいに塗るための重要なポイントです。
重ね塗りを完了した生地は、しばらく屋外に置いて乾燥させます。
完全に乾くまでには2日程度の時間が必要です。